リトグラフの技法というのは、ほかの版画技法と比較すると、少し分かりにくかもしれませんが、実はとても簡単な原理となっているのです。
水と油を混ぜると、お互いが反発しあって、水をはじくようになります。
リトグラフはこのような水と油が反発する性質を利用して、制作される版画技法なのです。
まず最初に石や金属の板の上に絵を描くことから始めます。
現在では、アルミ版を使われることが多くなっているようです。
クレヨンなどの油性のものを使って板に絵を描きます。
そして、その上から特殊な薬品をかけて、化学反応を起こさせます。
さらに、水をのせたり、油分を含んだインクをのせるなどして、最終的にプレス機を使って圧力をかけて、その絵を写し取る仕組みとなっています。
手間のかかる版画技法ではありますが、木彫りの版画ではできないような繊細な表現ができるのが特徴です。
そのため、シャガールなど世界的に有名な画家たちもリトグラフの魅力に取りつかれて、たくさんの作品を制作して、名作を世に残しています。